えすけーぷ37のブログ

プチアウトドアや日々思ったことを書いていく雑記ブログです。

祖父の軍歴を調べてみた

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昨年の事ですが、三十年以上前に亡くなった祖父の軍歴を調べたことがあります。


私が子供の頃、祖父から直接聞いた話で覚えている事がありました。


・海軍に入って軍艦伊勢に乗っていた事
・海軍陸戦隊にいたこと
・階級は兵曹長

9才か10才の頃、祖父が海軍時代にもらった勲章や記章などを見せてくれながら話したことをずっと覚えてました。

この頃すでに私はミリタリーオタクなところがあったので記憶に残っていたんだと思います。


それから数十年、ネット検索で親族の軍歴をたどれる事を知り本籍のある広島に戻ってやっと実行しました。


軍歴申請のやり方

www.mhlw.go.jp



厚生労働省のホームページによると陸軍は本籍地のある各都道府県、海軍は厚生労働省との事でしたので必要書類を送付します。

・祖父の除籍謄本
・私の戸籍謄本
・私の住民票
・私の運転免許証のコピー
・旧軍人軍属の個人情報開示請求書


※旧軍人軍属の個人情報開示請求書には、分かる範囲で当時の階級や所属部隊等を書いて下さいとあるので、戦艦伊勢に乗っていた事や海軍陸戦隊にいたらしい事を記入しました。


これらを厚生労働省の担当部署に送付しました。

確か思ったより早く、二~三週間くらいで資料か送付されてきました。


カラーコピーによる軍歴証明書です。

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(全員故人ですが、祖父の氏名や家族の名前生年月日が書いてあるので黒塗りしてます。)
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最初に海軍に入った昭和四年から昭和二十年までの軍歴です。

私の祖父の生きた証しの一部が記録されています。


軍艦「伊勢」乗艦

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機関兵として昭和五年に「伊勢」に乗艦したようです。



海軍陸戦隊

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「支那事変内地服務」と書いてある下の行には「昭和六年乃至昭和九年事変ノ勤務」とあります。

四年間という期間なので、当初上海派遣の準備に関わる内地勤務、その後上海に派遣されたと推測しますが、ちょっと細部は読み取れません。

この支那事変というのは年代的には上海事変の事のようです。

第一次上海事変が昭和七年一月~三月に発生してますが、海軍陸戦隊自体は昭和二年から昭和二十年まで、上海の租界の警備のために派遣されています。

祖父は第一次上海事変を含むその前後の期間、派遣されていたのではないかと推測します。



その後の記録では、長く船に乗っていないためか、当初は機関兵だったのが工作兵に職種変更しているようです。

戦後、鉄工所をやっていたことがあったので海軍時代はそれに関わる兵種ではないかと想像していましたが、これで合点がいきました。


太平洋戦争開戦後


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昭和17.9.1 練習船 阿多田 乗組

昭和18.1.14 第938航空隊

昭和19.12.10 第958航空隊

昭和20.9.1 任 海軍工作兵曹長

昭和21.5.14 召集解除



練習船 阿多田でどこに向かったのか、数ヶ月の行動は不明です。
おそらくこの船で内地近海を中心に訓練がメインだったのかもしれません。


第938航空隊、第958航空隊はWikipedia調べでは、ブーゲンビル島沖ショートランド付近に展開していた水上偵察機の部隊で、零式水上観測機、零式三座水上偵察機を運用していたようです。



最終階級が海軍兵曹長というのも聞かされておぼろげに覚えていた記憶と合致します。


終戦によりラバウルで半年以上を過ごした後、復員船で名古屋港まで帰り召集解除となったようです。

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太平洋戦争開戦時に機関兵のままだったら、おそらく船に乗って戦死していたのではないかと思います。
機関兵は船底だから、まず助からない。


ショートランド付近の離れ小島辺りにいたから無事に生き延びられたんだろうと思います。

しかし外地に行っていた自分が生きて帰り、自分の長男(私の叔父に当たる)が原爆で亡くなっていたというなんとも皮肉な戦争の結末でした。


終戦後は鉄工所を始めますが技術はあっても商売の才能が無かったのか、私が幼い頃に倒産しました。

私の亡父もそこで一緒に働いていたため失職し、私達家族はその後少々苦労することになります。

これが、祖父から私に繋がる小さな小さな歴史です。


でも、戦争を生き延びただけでも良しとしよう。

この古い祖父の軍歴証明書を見て改めてそう思いました。


最後に


今から75年~90年くらい前の祖父の軍歴証明書。

他人には何の価値も無い一兵士の記録ですが、私にとっては激動の昭和前期を生きた先祖の記録です。



半世紀近く前、子供の頃に祖父から聞いた話の裏付けが取れました。


記録を取り寄せる事が出来て良かった。


そして知ることが出来て良かった。


心からそう思っています。